ホルモン療法とは?
更年期対策でやるべき3つの理由

更年期の対策
21/01/19
ホルモン療法とは?<br />更年期対策でやるべき3つの理由

40代後半から50代前半にかけて更年期と呼ばれる時期には、女性にとってさまざまな身体の変化が訪れます。 その総称として更年期症状・障害という言葉がありますが、この症状を緩和する方法として一般的なのがホルモン補充療法という治療法です。

今回は、ホルモン補充療法について、その効果や費用、副作用などについてご紹介していきます。

更年期症状の基礎知識

卵巣機能の低下、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が減少することによって閉経を迎えますが、他にも身体にはさまざまな変化があります。
例えば、ホットフラッシュと呼ばれるほてりや発汗、動悸・息切れ、怒りやイライラ、気分の落ち込み、肩こり、頻尿など多くの症状があるといわれています。ほとんど自覚がないような症状から日常生活に支障が出るような症状まであり、症状が続く期間も個人差が大きいです。

これらを更年期症状と呼び、日常生活に支障が出るような症状が重い場合には、更年期障害と呼ばれています。
しかし、更年期世代は他にもさまざまな生活習慣病の影響も受けやすいため、更年期症状の影に他の病気が隠れていることも考えられます。更年期症状と決めつけたり、女性が必ず通る道だからと症状を我慢したり、放置することなく、早めに専門医の診察を受けることも大切です。

ホルモン補充治療とは

更年期症状の治療法のなかでも一般的なのは、ホルモン補充療法(HRT)です。
その名の通り、減少した女性ホルモンを補う治療法です。機能低下した卵巣の代わりに、外からホルモンを補充し、更年期症状の改善、予防などを行います。

ホルモン補充療法をはじめるタイミングは更年期症状がではじめた時です。
これまでの症状や持病、生活習慣などについて問診を行い、血液検査や内診など女性特有の病気の有無を調べ、それらの病気ではないことがわかった上で、ホルモン補充療法を検討します。
ホルモン補充療法を行っている間も定期的な検査は行います。ホルモン補充療法は飲み薬や貼り薬、塗り薬などいくつかタイプがあり、投与方法も状態に合わせてさまざまです。更年期の症状や子宮を摘出しているかどうか、閉経しているかどうか、他の持病などがないかによって決められます。

投与方法には周期的投与法と持続的投与法というものがあります。
前者は、卵胞ホルモンであるエストロゲン製剤と一緒に一定期間だけ黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤を使用する方法です。閉経して間もない人に使用される方法で、定期的に月経のような出血がみられます。
後者はエストロゲン製剤とプロゲステロン製剤を毎日使用する方法です。しばらくは不規則な出血が少し見られますが、段々と減っていきます。月経のような出血が嫌な人、閉経から数年経っている人に使用される方法です。

ホルモン補充療法をすすめる3つの理由

更年期症状の改善、対策で行うホルモン補充療法のメリットは以下の3つです。

①一般的な治療法であること
更年期症状の治療は対症療法の薬物治療や漢方などさまざまなものがありますが、ホルモン補充療法は一般的にも行われる治療法のひとつです。
更年期特有のほてりや発汗などの症状の改善が期待できます。費用の目安としては、ひと月に5,000円未満という声が一番多く、保険適応なので自由診療のように費用の負担が大きくかかる心配はありません。

②飲み薬や貼り薬などさまざまな選択肢がある
ホルモン補充療法には飲み薬や貼り薬、塗り薬、膣剤、注射などの種類があります。
一般的なのは飲み薬で、胃腸から吸収されるものです。胃腸や肝機能が弱い方には貼り薬や塗り薬もあり、皮膚から血液内に吸収されていきます。さまざまな種類があるため、それぞれ個人の状態に合わせた投与方法が選択できます。

③更年期症状以外の他のメリットもある
ホルモン補充療法は更年期症状の改善だけではなく、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を防ぐこと、皮膚の潤いを保つこと、骨粗しょう症の予防などにも効果が期待できることがわかっています。
更年期症状の改善がみられても、継続して治療を続けることも可能です。

ホルモン補充療法の注意点や副作用

ホルモン補充療法は治療ができないケースもあります。どの薬でもいえることですが、以前に薬を使用してかゆみ、発疹などのアレルギー症状があった人、肝障害がある人は使用できないケースもあります。
また、既往歴に心筋梗塞や脳卒中などの血栓性の病気がある、妊娠中や授乳中では受けられないこともあります。診察時によく医師と相談しましょう。

また、ホルモン補充療法は副作用の報告もあります。治療法によっては、月経のような不規則な出血、乳房や腹部の張りや痛みを感じることもあります。治療を続けていくと軽減していきますが、治療法を変えることもできます。
また、がんの発症と関係があるかという話もありますが、乳がんに関しては、ホルモン補充療法経験者の方が発症リスクは低いという結果があります。他にもエストロゲン単体の使用では子宮内膜を増殖させる作用があり、子宮体がんの発症リスクが高まるため、予防目的でプロゲステロンを併用して対応します。
このように副作用のリスクや使用できるケースか、注意が必要な人もいるので専門医とよく相談して検討してください。

ホルモン補充療法は近年注目され、一般的にも使用されることの多い治療法です。
しかし、ホルモン製剤は安全なのか、どのような効果、副作用があるのか、費用の問題など不安に思う人も少なくありません。一時的なものではなく、長期的に治療が必要となるため、定期的な検査なども必要です。
不安なことは専門医とよく相談をして、更年期症状を改善していきましょう。

参考:

www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14

pharma-navi.bayer.jp/omr/online/bhv_others/hrt_05.pdf

www.nhk.or.jp/kenko/atc_67.html

www.konenkino-kokoroe.jp/ja/home/hrt/about/

書籍「女性外来のお医者さんが教える「更年期の苦痛」のやわらげ方」p.97~100

この記事を監修している先生


小山嵩夫クリニック

小山嵩夫先生

小山嵩夫クリニック院長
NPO法人「更年期と加齢のヘルスケア」理事長
一般社団法人「日本サプリメント学会」理事長

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