更年期に気を付けるべき
骨粗しょう症とは?

更年期に注意すべき病気・治療費
20/12/21
更年期に気を付けるべき<br>骨粗しょう症とは?

「骨粗しょう症」という言葉は、テレビや雑誌などでも取り上げられる機会が多く、加齢とともに骨がもろくなってしまい、骨折などのリスクが高まるということで広く知られているかと思います。しかし、実際の原因や症状、また治療や予防法については詳しく知らない方も多いかもしれません。この記事では、更年期に気を付けるべき骨粗しょう症についてわかりやすくまとめてご紹介します。

骨粗しょう症とは、その原因と症状

骨粗しょう症とは文字通り、骨量が減り、もろくなり、骨折しやすくなる病気です。日本では約1000万人以上の患者がいるといわれており、なかでも閉経後の女性が発症しやすいことで知られています。骨粗しょう症の原因として考えられるのは、女性ホルモンのエストロゲンの減少によるものです。
また、加齢や運動不足などの生活習慣も影響しています。骨にも新陳代謝があり、新しい骨を作ること(骨形成)と、骨を溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返していきますが、そのバランスが重要です。更年期や加齢により、骨の分解を抑制するエストロゲンが減少することで、骨の形成が追い付かなくなるからです。
そして、骨量が減ってもろくなったのが、更年期に気を付けるべき骨粗しょう症です。

骨粗しょう症は徐々に進行するため、痛みや自覚症状がありません。しかし、どこかにぶつかったり、軽く転んだりしただけでも骨折しやすいことが特徴です。
特に肋骨、脊椎、手首の骨、太ももの付け根の骨などで骨折しやすいといわれています。なかでも、高齢になるほど圧迫骨折といわれる背中や腰椎の骨が徐々に潰れてしまうものがあります。
身長が縮んだり、背中がまるくなったりするのは、この影響も考えられます。圧迫骨折は身体を動かすことで痛みを感じることもありますが、あまり痛みを感じない方、安静にしていればおさまってしまう方もいるため、すぐには気づかないケースも多いです。

骨粗しょう症の診断は骨密度と呼ばれる検査や痛みなどの症状からレントゲン、CT、MRI検査、また血液検査や尿検査による骨代謝マーカー、身長測定などをして判断されます。他の検査や治療などで骨粗しょう症が見つかることもあります。

その他、骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症は更年期以外にも、慢性腎臓病や内分泌疾患(クッシング病、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、糖尿病)、多発性骨髄腫などの病気で引き起こされるものもあります。
また、プロゲステロンやコルチコステロイド、一部の化学療法薬、抗てんかん薬、喫煙も骨粗しょう症の一因となることが考えられます。これらの要因が関係していないか、診断時には詳しく調べることになります。

骨粗しょう症の治療

薬物治療

骨粗しょう症で処方される薬はほとんど決まっています。ビスホスホネートという骨密度を増加させる薬です。これらの系統薬剤は経口薬や静脈注射で投与できます。内服薬の場合には、少し変わった内服方法をとるので注意が必要です。
起床後の空腹時に内服をし、その後30~60分間は口から摂取してはいけないようになっています。薬の吸収率を下げないためです。飲み込みづらさがある方や、胃腸の炎症がある場合には、静脈注射などで対応します。
こうした薬剤は短期間ですぐに効果があるものではなく、3~5年の投与が必要となり、長期間の治療となります。

また、他にはカルシトニンと呼ばれる、骨の分解を抑制する働きがある薬やホルモン療法などを行うケースもあります。骨粗しょう症の治療には骨吸収を少なくする薬、骨形成を助ける薬、カルシウムの吸収量を増やす薬の3種類に大きく分けられます。それぞれのメリットデメリットを医師とよく相談し、使い分けていくことが必要です。

骨折の治療

背中や腰の圧迫骨折の場合には、手術適応とはならずに保存治療となることもあります。その場合、温熱療法やマッサージ、体感装具などで対応します。手術適応では、圧迫部位に骨セメントを入れて骨の変形を軽減させます。

また、手首の骨折の場合には、ギプスなどで固定をして治療をするか、一時的にボルトやプレート、ワイヤーなどで固定手術をして、後に抜釘と呼ばれる器具を取り除く手術を行うのが一般的です。太ももの付け根の骨折の場合には、人工の股関節を置き換える手術(人工関節置換術)をすることがあります。大きな部位の骨折になるほど、治療は大掛かりでリハビリも数カ月間と長く必要になります。

骨粗しょう症の予防法

食事で気を付けること

骨粗しょう症は食事からでも予防はできます。カルシウム(牛乳やヨーグルト、ブロッコリー、アーモンドなど)とビタミンD(魚の肝油や脂の多い魚、きのこ、海藻類)を多く含む食材をとり、食事だけでは難しい場合にはサプリメントをあわせて摂取することもいいでしょう。
他にも食事では、適量のタンパク質やマグネシウムをとることを意識し、アルコールやカフェインを控えめにすることも大切です。

適度な運動をする

体重の負荷がかかる、適度な運動もおすすめです。ウォーキングや階段を昇るなどの運動は骨密度を増加させます。
しかし、水泳などの体重の負荷がかからないものは、骨密度は増加しません。転倒リスクを下げるための体幹と筋力のバランスを鍛えるためには最適です。

その他、生活で気を付けること

適度な運動は必要ですが、骨折の原因となる転倒の予防のためには、さまざまなことを意識する必要があります。特に買い物などの外出時には、足元がしっかりとした靴を選び、動きやすい服装を心がけてください。
雨や雪の場合にはなるべく外出を避け、靴底に滑り止めがしっかりとあるものを選びましょう。

また、時間に余裕を持って外出することも大切です。時間がないと焦ってしまうと、段差に躓きやすくなったりする可能性があります。自宅にいるときでもふらつくことがあれば、住環境の整備なども必要です。段差をなくし、手すりをつけるなどの調整も検討しましょう。骨粗しょう症の治療や予防は目に見えて効果が出るものばかりではなく、長期的なものとなります。しかし、自己判断で治療を中止することなく、医師に相談して調整するようにしましょう。

骨粗しょう症というと、かなり高齢の方に起こるものだと考えてしまうかもしれませんが、更年期を境に徐々に骨がもろくなっていきます。治療法としては薬物療法が一般的ですが、日頃の食生活や適度な運動からでも予防できることはあります。今から少しずつ、予防対策を積み重ねていきましょう。

参考:

書籍「女性外来のお医者さんが教える「更年期の苦痛」のやわらげ方」p.68.69

medicalnote.jp/diseases/%E9%AA%A8%E7%B2%97%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E7%97%87

www.joa.or.jp/public/sick/condition/osteoporosis.html

www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/08-%E9%AA%A8%E3%80%81%E9%96%A2%E7%AF%80%E3%80%81%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E9%AA%A8%E7%B2%97%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E7%97%87/%E9%AA%A8%E7%B2%97%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E7%97%87

www.takeda.co.jp/patients/osteoporosis/fall/index.html

この記事を監修している先生


小山嵩夫クリニック

小山嵩夫先生

小山嵩夫クリニック院長
NPO法人「更年期と加齢のヘルスケア」理事長
一般社団法人「日本サプリメント学会」理事長

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