更年期に手足がしびれる?!
症状と原因、対策について

運動器官系の症状
21/01/13
更年期に手足がしびれる?!<br />症状と原因、対策について

45歳から55歳の女性は、女性ホルモンの分泌が低下する『更年期』を迎えます。更年期では体力的・精神的な症状が数多くあらわれるため、女性の方はそのあいだ、非常に苦しい時期を過ごすこととなります。手足のしびれも、数ある更年期症状のうちの一つです。

更年期症状は多くの女性が経験しますが、程度やあらわれ方には個人差があり、問題なく対応できる場合もあれば日常生活に支障が出るほど悪化する場合もあります。
適切な治療を受けていれば症状は軽快するケースが多く、対策を考えていなければ悪化するケースも多くなります。だからこそ、「年齢だから仕方がない」と自己判断せず、1日でも早く対策を考えることが必要です。

今回は、更年期による手足のしびれの症状や原因、対策について解説します。

更年期によるしびれの症状

更年期にあらわれる手足のしびれは、感覚の異常や病気を原因とするケースが多いです。

感覚や神経の異常によるしびれ

「手足がしびれる」「手足の感覚が鈍くなったような気がする」「皮膚の表面が乾燥し、ぴりぴりとした感覚がある」「自分の意思ではないのに手や指が動いてしまう」などの異常があらわれるようになります。しびれる感覚とともに、皮膚の乾燥が目立ちやすくなる点が特徴です。

病気によるしびれ

更年期を迎えてから、『腱鞘炎』『手根管症候群』を原因とするしびれを経験するケースも珍しくありません。

腱鞘炎

腱鞘炎では、腱と腱鞘のあいだに炎症が生じることにより、しびれるような痛みや腫れ、熱感があらわれます。指がばねのような形状になり、手の指を伸ばせなくなる『ばね指』や手首に強い痛みを感じる『ドケルバン病』などの種類があります。
朝早くに症状が強くなり、時間がたつごとに症状が軽快するケースが多いです。

手根管症候群

親指から薬指にかけてしびれや痛みが出る病気です。腱や腱鞘に起こる炎症や腫れにより、正中神経が圧迫されることが原因だと考えられています。症状が進行すると指がさらに動かしにくくなり、日常生活における作業ができなくなるリスクが高まるため、早い段階からの治療を受けることが理想です。

そのほかにも、糖尿病や脳卒中など、危険な病気が原因で手足のしびれを感じるケースもあります。違和感を覚えたらなるべく早くに医療機関に行き、必要な検査を受けるようにしましょう。

更年期でしびれが起こる原因

更年期でしびれが起こる原因は、手足のしびれや腱鞘炎、手根管症候群のそれぞれによって異なります。

手足のしびれの原因

手足のしびれの原因は、主に『卵胞ホルモン(エストロゲン)』の減少です。

更年期を迎えると、閉経や卵巣機能の低下を伴い、女性ホルモンの分泌が以前と比べて減少します。特に卵胞ホルモンは女性の健康や美容を支えるために非常に重要な役割を担っているため、分泌による保護を受けられなくなった体が受けるダメージは大きいです。
結果、自律神経や筋肉量・骨量の減少、皮膚の乾燥などの変化が起こり、心身ともに不調が増えていきます。

手足のしびれも数ある更年期症状の一つで、血流の調節を行う自律神経が混乱することが原因で起こります。血行が悪くなって手足のしびれを感じるケースや、皮膚の乾燥や知覚過敏によってしびれを感じるケースも多いです。

腱鞘炎の原因

腱鞘炎は、通常であれば手や手首などの使い過ぎによって起こるケースがよく見受けられますが、女性ホルモンの問題が原因でも起こる症状です。更年期によって女性ホルモンが急激に減少すると、腱の腫れが強くなったり腱鞘が厚くなったりして、痛みや腫れなどの症状が目立ちやすくなります。

手根管症候群の原因

手根管症候群の原因は、医学的には解明されていませんが、血液中の女性ホルモンの変動との関係性が不快と言えるでしょう。特に更年期で女性ホルモンが減少すると、腱による神経の圧迫が起こり、不快症状が出るようになります。

手根管症候群の原因

手根管症候群の原因は、医学的には解明されていませんが、血液中の女性ホルモンの変動との関係性が不快と言えるでしょう。特に更年期で女性ホルモンが減少すると、腱による神経の圧迫が起こり、不快症状が出るようになります。

更年期症状のセルフチェック

手足のしびれと更年期症状を関連付けるには、ほかに更年期特有の症状が出ていないかを調べる必要があります。
更年期における早い時期の症状と遅い時期の症状から、現時点であてはまる症状がないかを確かめてみましょう。

45歳前後の方は、

  • 暑い場所にいるわけではないのに、上半身がほてったりのぼせたりする
  • 急に汗をかく
  • 睡眠の質が落ちている
  • めまいや吐き気がする
  • 憂うつ感が抜けない
  • すぐにイライラしてしまう


などの症状に、

55歳前後の方は、

  • 肩こりや腰痛、関節痛がある
  • 皮膚の乾燥が気になる
  • しみやしわが目立ちやすくなった
  • 認知力が低下している
  • 尿漏れが気になるようになった
  • 子宮の痛みを感じる

 

などの症状に心当たりがないかを調べてみましょう。多ければ多いほど更年期症状が出ている可能性が高く、状態が深刻だと考えられるため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

更年期症状によるしびれへの対処法

更年期を迎えてから起こるしびれに対応するには、医療機関での治療が必要不可欠です。手足のしびれと腱鞘炎、手根管症候群のそれぞれに合わせ、適切な治療法が選択されます。

手足のしびれへの治療

血行不良が原因で起こる手足のしびれには、血行改善のアプローチが重要なポイントです。マッサージや適度な運動で体を動かし、血流の滞りを防ぎましょう。
血管の健康状態を良好に維持するビタミンCや、血液循環を改善するビタミンEなど、栄養価の高い食事を心がけることでも、症状の緩和が期待できるようになります。

腱鞘炎への治療

症状を抑える対処療法としては、テーピングや薬物治療(鎮痛剤、ステロイド注射など)が使われます。テーピングでは腫れやしびれ、痛みが出ている患部を固定することが、薬物療法は現時点で目立つ症状を和らげることが目的です。
これらの方法で症状が緩和されず、悪化する場合には、手術療法が用いられることもあります。

手根管症候群への治療

腱鞘炎と同じように、手根管症候群も症状を抑える対処療法が行われます。専用の装具をつけて患部を安静に保ち、鎮痛剤やステロイド注射、ビタミンB12、神経障害性疼痛治療薬などの薬物療法が進められるケースが多いです。
対処療法で改善が期待できない場合には、手術療法が必要になります。

エクオールのサプリメントで、症状緩和ができる場合も

医療機関での治療に合わせ、サプリメントの摂取が症状緩和に役立つ可能性も高いです。

特に『エクオール』が含まれるサプリメントは、更年期症状緩和に優れた効果を発揮すると言われています。エクオールは、卵胞ホルモンと似た作用をする『大豆イソフラボン』の働きを強めてくれます。
卵胞ホルモンは更年期によって失われ、卵胞ホルモンが女性の健康に与える影響は大きいことから、更年期以降はエクオールの摂取を心がけましょう。

医療保険の選択も、更年期によるストレス減少につながります

日常生活での作業が辛く感じられる手足のしびれには、早くから医療機関の治療で対応する必要があります。

しかし、医療機関での治療によって金銭的な負担がかかることは避けられません。治療費は女性一人ひとりによって異なるものの、ほかの出費や今後の人生設計に合わせ、大きな負担を避けたい方も少なくないでしょう。そのような場合には医療保険の見直しを検討し、治療費の負担を減らすことをおすすめします。
金銭的なストレスがなくなると、治療に対して前向きになれます。医療保険の見直しで治療にかかる負担をなくし、更年期に備えましょう。

その他のカテゴリ一覧

お役立ちニュース

お役だちニュース

「更年期」に関わる体験談やセミナー・イベント情報など、女性の健康寿命を延ばすために役立つ情報をこちらで発信していきます。ぜひご覧いただき、”更年期を楽しく”過ごしていきましょう!